salmontiskunの日記

高校卒業まで田舎育ちで、そこそこ世間的に評価の高い都内国立大学および大学院に進学、その後都内IT企業で企画事務担当として働くアラフォーサラリーマンのブログです。特にテーマは決めてませんが、奨学金返済、マインドフルネス、などなど、「精神的、経済的、肉体的に幸せに生きるためには・・・」というテーマでブログを書いていきます。

勝間和代女史のカミングアウトは、LGBTの方々にプラスの影響を与えるだろう、しかし・・・

日本社会全体で、LGBTの方々を取り巻く環境は、少しずつ良くなっている

LGBTの方々に対する世間の目や、彼らを取り巻く環境はこの10年で劇的に変わった。日本社会における理解も進み始めた。思いつくままに、幾つか例を挙げてみると・・

  • 渋谷区では2015年、同性カップルは結婚に準じる関係にあると認め、要望する同性カップルに「パートナーシップ証明」を発行することを決定した
  • 私の勤める会社でも、特にLGBTの方々をテーマとして取り上げ、「多様性豊かな職場でお互い尊重しあって働ける環境を実現するには」という研修が数年前あたりから全社員受講必須として開講されるようになった。
  • 1980~1990年代に人気を博したとんねるずのパロディ「保毛尾田保毛男」が、2017年9月にパロディとして再放送されたところ、社会から「差別的で不快である」として非難の渦が沸き起こった。最終的には、フジテレビ社長が謝罪するまで追い込まれることになった。社会のLGBTの方々に対する感性が、1990年前後と現代では大きく変わったことを端的に示す象徴的な例であると思う。

LGBTの方々は、自分の性的嗜好が社会の少数派であるというだけで、他人に何も迷惑をかけていない。「社会に過度の負担をかけない限り、自分の幸福を追求する権利は万人に平等に与えられるべきである」という、ほぼ全ての人が同意するであろう原理原則に基づけば、彼らがこれまで受けてきた嘲笑や差別、攻撃の歴史は恥ずかしく思うべきものだ。彼らの状況がポジティブな方向に向かっていることを示す例が増えつつあるのは、心から喜ばしく思う。

勝間女史の「同性を愛している」というカミングアウト

そんな中、テレビをほとんど見ない私でも、たまにテレビ番組で姿を見かける勝間女史がつい先日、「現在同性を愛している」ことをカミングアウトしたとのこと。
https://twitter.com/kazuyo_k/status/100098334068761351

以下、勝間女史の言葉をBuzzFeedのニュース記事から引用する。

今は規範概念にとらわれて自分らしさを出せていない人に言いたい。同性を好きになってもいいんだよ。そのことに罪悪感を感じる必要はないんだよ。

(中略)

私は裕子さんがいてくれたから、こうやってみんなに公表しようという気持ちになれた。でも、多くの人はそうではないでしょう。その人にも伝えたい。仲間はたくさんいるんだよ、ということを。

勝間女史のカミングアウトは、率直に結構なことだと思う。インテリで社会的にも一定の成功を収め、多数のファンを抱える勝間女史のような方が「同性を愛している」という事実を公表すること自体が、LGBTの存在が特別ではない普通なもの、という社会全体の認識が深まることに貢献するのは間違いない。

彼女は離婚歴が二度あり、子どもも3人いるということで、「今回のカミングアウトが彼女の子どもとの関係にどのような影響を与えるのだろう?」など思ったりもした。また離婚が一度でなく二度という部分にも少し引っかかった。彼女は人を幸せにできる人なのだろうか、とか下世話な想像をしてしまった。

ただ、×2であることも、子どもとの関係にどう折り合いをつけているか、なども両方とも彼女の真にプライベートな領域に属する話である。他人が物知り顔で「道徳的に正しいこと」を偉そうに語って良い領域ではないとも思う。(賢い勝間女史のことだから、子どもとの関係についてはうまく折り合いを付けた後で公表したであろうと思うが)たとえ子どもとの関係に何等か負の影響があったとしても、今回の公表自体、日本全体にプラス効果を与えるという事実が存在するのは、誰も否定できないし、彼女は日本社会にとって、善きこと、をしたという結論に私はいたる。。

カミングアウトを敢えてしたくない、あるいはできない人もいる・・・たとえLGBTであることが罪悪ではない、とわかっていても

一点、心したいのは、勝間女史の今回の公表は大いに結構だが、「LGBTであることをカミングアウトすること、が一番正しいゴールである」というような短絡的な受け取りないようにしたい。人それぞれ考え方や感性は違うし、自分の性的嗜好をずっと心の奥底に留めたままとしたい、という方もいらっしゃると思う。他人の目には一目見ただけではわからないような、複雑な事情を抱えており、カミングアウてもできない、という方も同様に多そうだ。

たとえば・・・外見やしぐさ、振る舞いでLGBTのように見える方に対し、以下語りかけている女性に過去出会ったことがある。
「私はLGBTの友達も沢山いるし、理解があるから、私には本当のことを言っても大丈夫だよ、あなたゲイでしょ?ゲイであることは普通のことだし、普通にカミングアウトしていいんだよ。」
・・・この無神経なコメントを図れたゲイっぽい男性の心中をその後知る機会があったが
「自分にゲイの性向があるとは思うが、彼女みたいな親切なふりして自己満足で人の心の土足にどしどし入ってくるような女に、自分にゲイ性向があること含め、何一つ真実を語ろうとは思わない」と感じたとのこと。
当然と思う。
(長くなりそうなので、続きはまた次回に)