奨学金
前回の記事と前々回の記事に続く。 繰り返しになるが、利潤拡大をその本質的な生業として期待されない日本学生支援機構が運営する奨学金事業は、民間企業には担うことが難しい部分にのみ特化して運営するべきである。 まず、民間で担える分野にまでわざわざ…
返済を前提とする奨学金(学生ローン)事業は、公的機関がやらなくてよい 前回の記事に続く。私が給付型ではなく貸与型の教育ローン事業を民間に任せた方がよいと考える理由はまとめると、以下の通りである。 民間の金融機関ですら難しい与信管理、返済状況…
5/16の記事と5/17の記事に関連して・・・もう少し思うことを追記したい。 日本学生支援機構の事業概況 日本学生支援機構のホームページによれば、 学生がどんなときでも安心して学ぶことができるよう、必要なサービスを提供していくことを組織の目的に掲げ、…
喉元過ぎれば何とやら、という部分もあり、「あれだけ恨みつらみを書いていたお前が何を今さら」と言われそうだが、それでも敢えて言う。 奨学金返済完了後約5年が経過し、家計のバランスシート上完全に問題が無くなった今、過去を振り返って思うことは・・…
一言で言えば、「物は考えよう」ということに尽きる。高校大学大学院の学費を奨学金で賄い、卒業後に約500万程度を独力で払いきった自分の経験に限って言っても、奨学金の負債程度が人生に与えるマイナスの影響は、考え方一つでポジティブに乗り切れるもので…
先日書いた記事の続き少し補足したい。先日述べた通り、高校時代に冷静・客観的かつ誠実な親子間の話し合いをすべきだったあったと強く思うが、加えて、社会人になった直後にもきちんと話し合うべきであったと思う。以前書いた内容の繰り返しになるが、私の…
昨日の記事の続き。 奨学金という名称を学生ローンに変更する 日本学生支援機構という団体名自体は変える必要はないし(実際学生の勉学を支援手しているのは事実)、給付型奨学金については、これまで通り、奨学金という名称を使うことに何ら問題はない。た…
日本学生支援機構の発表 日平成29年11月発表「奨学金事業への理解を深めていただくために」によれば、 3か月以上の延滞債権額は、平成24年度末をピークとして減少し、要返債権額に占める3か月以上の延滞債権額の割合は、JASSOの設立以降一貫して減少してい…
少子化人口減の影響で、新卒就職活動は超売手市場ということで、まともな待遇、安定した労務環境が確保された職業に就くのは最近はそれほど難しくないと聞く。しかし、それでも社会的評価の高くない大学出身者であれば、就職活動は依然厳しいものだろうと想…
親との感情的なもつれ、対立 自分は約500万という多額の負債を負いつつも、10年弱で無事完済できた。健康上大きな問題も抱えていない。30代後半にて結婚し、平均以上の世帯年収を得ており、金融資産もそれなりに蓄えられている。世に存在する様々なタイプの…
私は奨学金を借りてでも大学に行くことで、高い費用対効果(ROI)を得ることができた 自分のケースについていえば、私は何だかんだ言って、多額の負債が人生に様々な影響を与えたものの、それでも奨学金を借りてでも大学、大学院に進学してよかったのだと今…
前回の続きである。何となく特にやりたいこともなく大学に入学し、かつ通っている大学が難関大学でも、また卒業後に潰しが利く資格の取得が期待できないケースは、卒業後の経済的マイナスを減らせるような対策に在学中から取り組むべきである。 業料免除申請…
その4、その5 で述べた「奨学金を借りてでも大学に通ってもよいケース」に当てはまらない学生の皆様へ。 奨学金を辛くも返済し、何とか平均程度の生活を送れるようになった今の私の立場からいくつかアドバイスをさせて頂きたいと思う。あくまで一参考意見と…
昨日の続きである。 医学部、薬学部、看護学部など卒業後に安定した職業に就くことがほぼ保証されているケース 今後どの職業が安定していて、どの職業が落ちぶれていくかなど、誰も予測はできない。一昔前では最難関の資格であった弁護士や、制度改革の影響…
大学卒業という肩書を得ることの費用対効果(ROI)がかつてほどではなくなった現在、どのようなケースであれば奨学金を借りてまで大学に行く価値があるか。言い換えればある程度の費用対効果(ROI)が期待できるか。私見ながらいくつかのケースを列挙してみ…
昭和の人生勝ちパターンモデル(いい大学に入学し、いい就職先に就職し、定年まで安定して働く)が崩れた 平成30年の現在、昭和の人生勝ちパターンとされた 中高で勉強を頑張って、高い偏差値の大学に入る 大学4年は普通に人並みに過ごし、就職活動を頑張っ…
諸外国の事情も日本同様、もしくはさらに過酷 ただ、奨学金(という名の教育ローン)の返済に苦しみ、自己破産に陥ってるのは日本の学生だけではない。 アメリカ 以下、東洋経済新聞社の記事を一部引用する。「自己責任」の感覚が強いアメリカでは、 私大生…
奨学金の自己破産が5年間で延べ1万5千件 2018年4月23日付朝日新聞社説によると、2016年5年間で延べ1万5千件の奨学金破産が発生している模様。3か月以上滞納しているのは、4万件(全体の約4%)とのこと。 本件、公立高校/都内国立大学/都内大学院と延べ9…